第136回 天皇賞（秋）（2007年）

1. メイショウサムソン（2.9倍）：春の天皇賞馬。凱旋門賞は断念して復帰戦。鞍上は武豊に乗り代わり
2. アドマイヤムーン（3.8倍）：宝塚記念を完勝し、春の中距離No.1。秋の復帰初戦。
3. ダイワメジャー（5.6倍）：昨年に続く連覇を狙う。安田記念を勝ったが、毎日王冠3着に敗退
4. ポップロック（6.1倍）：京都大賞典ゴール前で差されたが2着。ローテーションよいが、やや距離不足？
5. チョウサン（17.1倍）：毎日王冠を後方から差しきり、ダイワメジャーに完勝。実力は未知数
   　　以下カンパニー（24.5倍）までが30倍以下

メイショウサムソン：堂々とした歩様でゆったり落ち着いて調子よさそう
アドマイヤムーン：時々チャカつくが適度な気合で、馬体や踏み込みもよい
ポップロック：元気よく馬体や踏み込みもよくて、印象度は高い
ダイワメジャー：いつもどおり落ち着いて悪くないが、やや覇気が足りない？
ブライトトゥモロー：毛づやよく馬体もよく見せる
アグネスアーク：気合乗りよいが、いつもどおりトモの踏み込みは浅め

ややばらついたスタートから、内枠を利して、メイショウサムソン、エイシンデピュティ、コスモバルク、デルタブルースが前へ。
結局コスモバルクがハナをきる。さらにシャドウゲイト、ダイワメジャーが先団。その後ろ中団にアグネスアーク、アドマイヤムーンなど。その後ろにカンパニー、ブライトトゥモロー。さらにポップロックなどがいて、最後方にチョウサン。
縦長の展開で、先団はばらけて、メイショウサムソン、ダイワメジャーが並んで5番手ぐらい。アドマイヤムーンはそれをマークするように、その後ろの中団外を追走。1000mは59.6秒と、馬場を考えてもスロー。しかし各馬折り合う。

4コーナー手前で馬群がつまり、各馬やや外目に出して4コーナーを回る。
直線に入ると、中央に出した先頭のコスモバルクの内に、メイショウサムソンが進路をとり追い出す。ここでコスモバルクの2頭ぐらい外にいたエイシンデピュティが大きく外によれて、その外にいた4頭が大きな不利（エイシンデピュティは15着に降着）。
不利を受けなかったメイショウサムソンは、残り400mすぎで先頭に立ち、その2頭外を同じく不利を受けなかったカンパニーが伸びてくる。

不利を受けながら立て直したアグネスアーク、ダイワメジャー、さらに外からアドマイヤムーンも差してくるが、メイショウサムソンは力強く先頭に立つと、さらに後続を引き離す。大混戦の2着以下を尻目に、そのまま伸びてゴール。
2着は、粘るカンパニーの外をジリジリとアグネスアークが伸びてきて、ゴール前でぎりぎりとらえる。
アドマイヤムーンは最後に脚がにぶり、6着まで。

メイショウサムソンは不利を受けない幸運もあったが、休み明けややや重も苦にせず、早め先頭に立つ得意な型に持ち込んで、最後は2 1/2馬身突き放す完勝。天皇賞（春）に続いて中距離の秋も制し、アドマイヤムーンも下して、古馬No.1を証明。
アグネスアークは、G2連続2着に続いてG1でも2着と力のあるところを示した。大きな不利を受けながら、しぶとく伸びた精神力はすごいが、追い込み脚質で勝ちきれない。
カンパニーもよく差してきたが、最後は休み明けか、馬場が合わないか、クビ差で差される。
ポップロックよく伸びたが、やはり距離がやや短いか。アドマイヤムーンは、不利もあったが、最後脚がにぶり、休み明けのせいか。

メイショウサムソンは横綱相撲で、力的には抜けた印象。JC、有馬でも好勝負はほぼ間違いなさそう。
アグネスアークは重賞で3戦連続2着と力はある。ただし勝ちきれず、馬体も細いので、いつまで続くかやや不安。
カンパニーはやはり1800mまでがよさそう。ただし差し脚は見せ場あり。
アドマイヤムーンは、たたいて良化が期待できるが、今回の覇気のない負け方は気になる。
ダイワメジャーは不利が大きかったが、最後伸びておらず、距離短縮に期待か。ただし年齢的な衰えも感じる